院長ブログ#3
2025/01/04
明けましておめでとうございます。メンタルウェルビーイングクリニック用賀の院長横田亜彩子です。本年もよろしくお願いいたします。
年末年始は皆さんいかがお過ごしでしたか。私は寝正月でした(笑)。
久しぶりに何もしない時間を持てたことは、ある意味貴重な非日常だった気がしています。あらためて、日々の生活では、時間に追われながら様々な思考や感情が巡って、疲れていた面があったと再確認しました。現代社会では、何も考えずにボーっとするという事は、実は難しい事なのかもしれませんね。
今回はメンタルの整え方について、私が実践している事を含めてお話ししたいと思います。
まず私が精神科医として歩み始めた研修医の頃、一番自分自身が乗り越えなければならなかった考える癖があった事からお話ししたいと思います。
当時は医師としても人間としても未熟でありながら、「医師としてしっかりしなければならない」という思いが焦りとなり、仕事が終わった後も切り替えられず、不安に思うことが多々ありました。一方で、私がプライベートの時間に患者さんの心配をいくらしていても、患者さんが良くなることは無いわけですよね。
私自身の心身の状態がベストでいることこそが、何よりも精神科医として必要だと気づかされたのでした。その頃から、気持ちを切り替える事を意識的にやってきました。仕事が終わった後は、仕事の事を考える事を一切やめてオフにすること、自分自身の心身の状態をモニタリングして疲労度やストレス度について客観的にとらえる事に取り組みました。
自分の状態がある程度適切にモニタリングが出来ると、対策が早く出来て調整ができます。ゆっくりと入浴する事や、家族や友人との雑談でリラックスする事、絵を書いたり韓流ドラマを見たりと好きなことに集中する事、ストレッチや軽い運動をすること、睡眠を早めにとるようにする事、等で切り替える工夫をしました。
それでも忙しい日々の中で切り替えが難しい時もありますよね。その際には週末に自然の中で過ごす事で仕事の事を一切考えないでいる時間を作るように意識しました。私の趣味であるスキー、シャワークライミング、シュノーケルなどの海遊びは、そうした切り替えに大変役に立ちました。皆さんも好きなことをすることで、気持ちを切り替えてみてくださいね。
ストレスはあるのが自然だととらえる事で、自分の心身のコンディションを整えられるのだと思います。それでも自分で調整することが難しいと思った時は、人に頼ることも重要です。仕事の場合は職場の人に相談し、プライベートでは家族や友人に相談し、介護や医療、相続などは専門家に相談してみると、新しい視点や解決策が見つかるかもしれません。
「自分でやらねばならない」「ちゃんとやらなければならない」という考える癖を、「人に相談してみよう」「自分が取り組めるベストを尽くせればいい」という思考に柔軟に修正してみると、過度なプレッシャーや焦り、不安が軽減できるのだと実感しました。
この様な自分の考える癖を自己発見し、修正的思考を用いて心身のバランスをとる心理療法を、認知行動療法といいます。当院ではカウンセリングで、心理士の下で取り組むことが出来ますので、ご興味がある方はご相談くださいね。
次回は、私が精神科医として皆さんに送りたいメッセージを、分かりやすい形で発信していきたいと思います。ブログをはじめようと思ったきっかけの一つでもあります。楽しみにしていてくださいね。