当院の
心理検査について
様々な心理検査により、ご自身の病状のレベル、特性理解、生活の満足度、認知機能、パーソナリティの把握、得意なことや不得意なことなどの自己理解を深め、より良い社会適応や治療につなげることができます。
主治医から提案がある場合もありますが、ご希望があればご相談ください。
下記内容がそれぞれの心理検査になります。
心理検査一覧
SDS(自己評価式抑うつ性尺度)
症状やそれぞれの重症度を診るために、初診の方には必ず行っていただく検査です。
目的 | 抑うつ状態の把握 |
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様式 | 質問紙 |
時間 | 5分程度 |
概要 | 現在の状態に対する20項目の質問に4段階評価で回答し、合計点数から「正常群」「神経症群」「うつ病群」で評価する。 |
評価基準 |
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AQ-J(自閉症スペクトラム指数)
どんな方に役立つか
自分の困りごとが発達障害によるものなのか知りたい方/コミュニケーションの苦手さを感じている方/空気を読むことが苦手と感じている方など
目的 | 自閉症傾向の測定。高機能自閉症・アスペルガー障害を含む自閉症スペクトラムのスクリーニング。 |
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様式 | 質問紙 |
時間 | 10~15分程度 |
概要 | 50項目の質問に4段階評価で回答し、「社会的スキル」「注意の切り替え」「細部への関心」「コミュニケーション」「想像力」の領域で症状の程度を評価する。 |
評価基準 |
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ASRS(成人期ADHD自己記入式症状チェックリスト)
どんな方に役立つか
自分の困りごとが発達障害によるものなのか知りたい方/落ち着きがないと人から言われる方/ケアレスミスが多いと感じている方/周囲と話しがかみ合わないと感じている方など
目的 | 大人のADHDの自覚症状の把握 |
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様式 | 質問紙 |
時間 | 5分程度 |
概要 | 18項目の質問に5段階評価で回答し、各項目の合計点数から症状の有無を評価する。 |
評価基準 | 特定の項目に4つ以上該当 … 成人期ADHDである可能性が高い |
QOL26(WHOクオリティ・オブ・ライフ26)
どんな方に役立つか
病気とまでは言えないが漠然とした不調や不満を感じている方
目的 | 生活の満足度の把握 |
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様式 | 質問紙 |
時間 | 5~15分程度 |
概要 | 26項目の質問に5段階評価で回答し、「身体的領域」「心理的領域」「社会的関係」「環境」の4領域について「強度」「能力」「頻度」「満足度」の尺度で評価する。 |
LSAS-J(社交不安障害評価尺度)
どんな方に役立つか
人前で不安や緊張を感じる方/人が多い場所に行くと息が苦しくなる方/人と食事をしていると体が固まる方/自分の意見を言おうとすると手足が震える方/人とのコミュニケーションが苦手と感じている方など
目的 | 社交不安障害の重症度の把握 |
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様式 | 問診 or 質問紙 |
時間 | 問診の場合30分程度、質問紙の場合15分程度 |
概要 | 24の状況に対して「恐怖感/不安感の程度」と「回避の程度」を4段階評価で回答し、行為状況と社交状況の症状の程度を評価する。 |
評価基準 |
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WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)
どんな方に役立つか
客観的なデータに基づいた自身の得意不得意を知りたい方/発達障害の傾向の有無を知りたい方/困りごとがあるが、原因がわからない方/自分のIQを知りたい方/コミュニケーションの苦手さを自覚しているが、環境によるものなのか能力的なものなのか知りたい方/発達の凸凹を指摘されたことがある方/自分の得意な能力を活かして自己成長したい方/自己理解を深めたい方など
目的 | 知能の多面的評価 |
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様式 | 質問・作業 |
対象年齢 | 16歳~90歳11か月 |
時間 | 2時間~3時間半 |
概要 | 「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリ」「処理速度」の領域を10~15項目の検査で発達障害の傾向や可能性、得意不得意を評価する。患者様の体調や状態、検査目的により検査項目数は変わる。 |
【言語理解】:言葉を聞いて、それを理解する、考える、表現する力
- 類似
- 二つの言葉の共通点を答える課題。論理的かつ抽象的な思考力をみる。
- 単語
- 単語の意味を説明する課題。単語の知識量をみる。
- 知識
- 学校で習うような一般教養を答える課題。一般的な知識の習熟度をみる。
- 理解
- 社会的なルールや道徳観などを説明する課題。常識的な行動についての思考力をみる。
【知覚推理】:目で見たことを、理解する、分析する、推理する力
- 積木模様
- 積み木を使って見本と同じ図形を作る課題。空間をイメージする力をみる。
- 行列推理
- 一部が空白になっている図形に適切なパーツを当てはめる課題。非言語的問題解決能力をみる。
- パズル
- 頭の中で適切な3つのピースを組み合わせて見本と同じ図形を作る課題。目で見た情報を正確に分析する力をみる。
- バランス
- 天秤が釣り合うように適切なピースを当てはめる課題。非言語的な法則性を導き出す力をみる。
- 絵の完成
- 絵の中で描かれていない部分を見つける課題。視覚的な長期記憶と照らし合わせる力をみる。
【ワーキングメモリ】:耳で聞いた情報を一時的に記憶し、操作する力
- 数唱
- 聞いた数字を復唱する課題。耳から得た情報の記憶力をみる。
- 算数
- 計算問題に答える課題。耳から得た情報を頭の中で操作する力をみる。
- 語音整列
- かなと数字の組み合わせを聞いて並べ替える課題。五十音や数字の熟達度をみる。
【処理速度】:目で見た情報から素早く、正確に作業する能力
- 記号探し
- いくつかの記号の中から特定の記号を見つける課題。目で見た情報から素早く適切な情報を見つける力をみる。
- 符号
- 数字と対になった記号を書く課題。目で見た情報を記憶する力とそれを正確に素早く書く力をみる。
- 絵の抹消
- 見本と同じ色・形の図形を見つけて線を引く課題。目で見た複数の情報から正確に素早く取捨選択する力をみる。
バウムテスト
どんな人に役立つか
自己理解を深めたい方/困りごとが言葉にならない方/絵を描いて表現することが好きな方/自分の深層心理について気づきを得たい方など
目的 | パーソナリティの把握 |
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様式 | 作業 |
時間 | 5分~ |
概要 | “実のなる木”を白紙に描き、描かれた木の状態から「無意識の自己像」や、こころの在り方を評価する。 |
HDS-R(長谷川式認知症スケール)
どんな人に役立つか
最近記憶力が落ちてきたと感じている方/以前ほど集中して物事を考えられなくなってきた方/能力に衰えを感じているが、それが認知症の傾向なのかどうか知りたい方など
目的 | 認知症のスクリーニング |
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様式 | 質問 |
時間 | 5~10分程度 |
概要 | 記憶力や計算、見当識などの課題を通じて、認知機能の衰えがないかを評価する。 |
評価基準 | 20点以下 … 認知症の疑い |