完全予約制(電話のみ当日予約可)
TEL.03-6447-9175

精神科・心療内科 メンタルウェルビーイングクリニック用賀

TMS治療

TMSとは
[Transcranial Magnetic Stimulation]

TMS

TMS治療は、「経頭蓋磁気刺激療法」のことで、専用のコイルという治療機器を頭部の刺激部位にあて、コイルから垂直に磁場が形成され、磁気が頭蓋骨を安全に通過して脳実質に届き、コイルに並行して反対方向に渦電流が発生します。この渦電流が脳の特定部位の神経細胞やネットワークを活性化させ、抑うつ状態を改善させる効果があります。簡単に言うと、安全に磁気刺激を行い脳に電気的な刺激を与える事で脳の機能を回復させる治療です。

2003年にカナダ、フランス、ドイツ、オーストラリアでTMS治療が認可され、2008年には米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)で認可されました。日本では2019年6月に入院治療におけるTMS治療が保険適応となりましたが、残念ながら外来治療では保険診療がまだ適応となっていません。
様々なクリニックで自費診療によるTMS治療が行われていますが、適応外の治療や高額な治療設定などが見受けられるのも事実です。

当院では日本精神神経学会の専門医である院長が、慎重に適応を判断し、抑うつ状態の治療選択の一つとして位置付けています。たわらクリニック東京では院長としてTMS治療を3年間実施してきました。その経験を踏まえてメンタルウェルビーイングクリニック用賀でもTMS治療を適切に行っていきます。

当院のTMS治療機器は、FDA認証を受けているマグプロ(デンマーク製)で、8の字コイル(Cool-B70)を採用しています。
短時間で治療効率の良いシーターバースト(iTBS)を実施します。

治療評価を数値化しながら患者様に治療経過をフィードバックしていき、TMS治療の有効性を判断したうえで治療期間も設定していきます。
またTMS治療により改善した後も、心理療法や体のケアを複合的に考慮してリハビリも検討していきます。

適応

18歳以上のうつ病と躁うつ病の抑うつ状態に適応があります。
薬物療法を続けていても効果が乏しい場合や、副作用が強く服薬の継続が難しいなどの薬剤抵抗性の方や、休職期間中など出来る限り早く治したい場合や、長期服薬していて漸減希望の方にもお勧めできる治療です。

禁忌

人工内耳や脳外科手術などで磁性体クリップを使用している場合や、深部脳刺激や迷走神経刺激などの刺激装置などが、TMS治療の刺激部位に近接する場所に金属が埋め込まれている場合などは治療適応外となります。また心臓ペースメーカーがある方も適応外となります。
相対的禁忌としては、てんかんの既往がある方、磁力装着する義歯やインプラントがある方、アルコールや覚せい剤の乱用や離脱期、重篤な身体疾患を合併している場合は総合病院での適応判断が望ましいです。また希死念慮が強い場合や、躁うつ病の躁転リスクが非常に高い場合は適応外とする場合が多いです。いずれにしても、適応があるかどうか、安全に治療が実施できるかどうか、医師と相談しながら適切にTMS治療を検討することが大切です。

安全性評価

TMS治療は安全性の高い治療ではありますが、刺激中のモニタリングは重要な事です。
頻度の高い副作用としては、頭皮の刺激痛や顔面の不快感、頸部痛や肩こり、頭痛などがあります。その場合は刺激出力を下げることや、刺激部位を微調整することで症状を緩和させます。頻度の少ない副作用としては、めまいや耳鳴り、双極性障害の方の躁転などがあります。症状の程度によってはTMSを中断したり、専門医への受診を促してから慎重に再開することもあります。ほとんど起きることはないですが、けいれん発作が万が一出た場合はTMS治療をただちに中止し、呼吸と循環状態を確認し、必要であれば救急対応します。いままでTMS治療を行ってきた臨床経験の中で、一度もそうした重篤なケースはありませんでしたが、安全に治療を進めていくことが大切だと考えます。

TMS治療の流れ

当院でのTMS治療は完全予約制です。
初回はお電話での予約をお願いしています。

他院通院中の方は、主治医からTMS治療の同意を得て紹介状をお持ちください。 主治医による診察にて病状を評価し、TMS治療の適応があるかどうかの判断を致します。
TMS治療の適応がある場合は、治療の説明と同意を頂き、初回設定となります。

別室にてリクライニングシートに横になっていただき、頭部に専用キャップを装着します。
右手の親指の付け根(母指球筋)に筋電図をつけさせていただき、刺激部位を特定します。
左背外側前頭前野へのシーターバースト刺激を約6分程度行います。

初回は1回のみの刺激でモニタリングを行い、問題がなければ週2回~5回、合計で平均20~40回程度繰り返し刺激を行います。
治療が終わってからは、アルコール摂取を控えることと、睡眠をしっかりとることが大切です。

1クール20回終了後には、再び病状評価を行い、TMS治療の効果判定を行います。
継続するのか治療終了とするのかについて、ご希望を踏まえて決定します。
TMS治療終了となった際には、心理カウンセリングや、体を整えるリハビリ指導、少量の薬物療法に移行するのかなどについてもご相談に乗ります。

費用

初回診察での
ご相談
8,800円(税込)
初回診察 → 適応の場合 → 同日初回設置 14,300円(税込)
iTBS 1回 6,600円
(税込)
1クール
20回
一括払い
110,000円(税込)
rTMS 1回 20分 13,200円
(税込)
1回 30分 18,000円
(税込)
1クール
20分×20回
一括払い
220,000円
(税込)
1クール
30分×20回
一括払い
300,000円
(税込)